2011年01月30日

特許付与の要件(進歩性)

 今回も特許付与の要件です。

 今回は、進歩性についてです。

 特許法29条2項は、「特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。 」としています。

 ここでの「前項各号」というのは、前回書いた新規性のない発明、すなわち公に知られている発明のことです。

 その発明の技術について通常の知識をある人が、公に知られている発明に基づいて容易に発明できるようなものは、進歩性がないとして、特許の付与が認められないというわけです。

 すでに知られている発明から簡単に思いつくような発明に特許を認めても、産業の発展に資することがなく、かえって悪影響といえるからです。

 例えば、すでに知られている技術を単純にいくつか組み合わせただけのような発明は、進歩性がないとされます。

 ただ、すでにある技術の組み合わせであってもその組み合わせ方が容易に思いつかないような絶妙なものであるような場合には、進歩性があるとされる場合もあるでしょうから、どういった場合に容易に発明できると言えるかは、必ずしも明確ではなく、種々の要素を総合的に考慮していくことが必要になります。


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2011年01月16日

特許付与の要件(新規性)

 今回も、特許付与の要件についてです。

 特許付与を受けるためには、その発明が客観的に新しいことが必要となります。

 これを発明の新規性といいます。

 特許法29条1項は、この新規性が認められない場合として、出願前に、@公然と知られた発明、A公然実施をされた発明、B頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明を上げています。

 例えば、ネット上で既に公開されている発明には、新規性がなく、特許の付与を受けることができません。

 では、例えば、発明した者が、自分でネット上に公開したような場合も、特許の付与が受けられないのでしょうか?

 この場合も、公開した時点で、一応、新規性が失われるとされます。

 ただし、その新規性を失った日から6ヵ月以内に出願をし、それから30日以内に一定の書面を提出することで、例外的に特許付与を受け得ることになります。

 この新規性喪失の例外は、他にも、スパイによって発明を盗まれて公表されてしまったような場合などがあります。



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2011年01月10日

特許付与の要件(産業上の利用可能性)

 以前のブログで、特許法上の「発明」の概念についてご説明しました(特許法における発明とは)。

 ただ、「発明」に該当しても、それにすべて特許が付与されるわけではなく、さらにいくつかの要件をクリアする必要があります。

 その一つが、産業上の利用可能性があることです。

 理論上は優れた発明であっても、技術的に実施が不可能であるような場合は、産業上の利用可能性がないとされます。

 例えば、仮に、中性子星による時空の歪みを利用したタイムマシーンを可能とする発明が理論上できたとしても、現在の技術では、中性子星に辿り着くこと自体が不可能ですから、産業上の利用可能性がないといえます。

 また、医療技術については、特許に当たるからといって、技術的に助けられる命を助けられないのは問題ですから、人道上の理由から、産業上の利用可能性がないとされてきました。

 ただし、最近は、最先端技術について、特許付与の対象とされるようになってきています。

 これは、遺伝治療など最先端技術には、巨額の投資が必要とされるようになっているところ、巨額の投資をして開発しても、全く権利が保護されないのでは、医療技術の進歩が止まってしまうからです。


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posted by 弁護士 吉成安友 at 23:22| Comment(0) | 知財関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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