2010年05月18日

契約書のサンプルの流用について

 顧問会社のリーガルチェックなどをしていて思うのは、中小企業間の取引では、市販の契約書のサンプルを流用するようなケースが多いということです。

 こうしたサンプルは、玉石混淆ではありますが、それなりに良くできているものもあります。

 しかし、良くできているものであっても、あくまで一般的なケース想定しているので、具体的事案に適切であるとは限りません。

 また、こうしたサンプルは、両当事者に中立に作られていることも多く、自社にとって不利な条項がある場合もあります。

 せっかく自社が契約書作成のイニシアチブを取れるケースで、わざわざ自社に不利な条項を入れるのはもったいないですね。

 もっとも、法律や判例等をリサーチしておかないと、変えた条項が無効になってしまったり、最悪契約自体が無効になってしまう場合さえあります。

 法令や判例を吟味し、自社に最も有利な契約書を作ることが、ビジネスを優位に進められることに繋がります。



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posted by 弁護士 吉成安友 at 01:13| Comment(0) | 契約書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

最低資本金制度

かつて、株式会社においては、最低でも1000万円を、資本金として設定しなければなりませんでした。

 これを最低資本金制度といいます。

 そして、株式会社設立に際しては、資本金の額に相当する財産が現に会社に拠出されることが必要とされますので(資本充実の原則)、株式会社設立には、最低でも1000万円が必要でした。

 しかし、この最低資本金制度は、平成18年5月1日に施行された会社法によって撤廃されました。

 したがって、現在は、資本金1円でも株式会社が設立できます。

 これにより、起業に当たっての一つの大きな障壁が無くなったといえます。

 さて、この最低資本金制度は、一般に、会社債権者保護を目的とした制度と言われていました。

 というのは、株式会社では、会社として負った債務は、会社にしか責任がありません。

 したがって、会社に財産が無いと、会社債権者は、債権を回収できなくなってしまいます。

 そこで、前述のように、まず、株式会社設立に当たっては最低でも1000万円の財産が拠出されることを義務づけました。

 その上で、会社の純資産が最低でも1000万円の資本金を上回らなければ、配当ができないなどという制限を設けました(資本維持の原則)。

 これらにより、会社に最低でも1000万円以上の財産がいったん拠出され、これが維持されることを図り、会社債権者の保護を図ろうとする法制度になっていたわけです。

 しかしながら、法律が、いったん会社に1000万円が拠出され、純資産が1000万円を上回らなければ配当等ができないという制度を設けても、事業で失敗すれば、会社の財産は減っていきます。

 そして、一般に、会社にお金がなくなってしまう場合とは、無理な配当をするような場合ではなく、事業で損失が出た場合といえます。

 その意味で、最低資本金制度があるからといって、会社債権者に保護にはなるとは言えなかったと考えられます。




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